「俺がこの病室初めて来た時の事、覚えてる?」

「あ、うん・・・あたしを提げてきてくれた・・・?」

「ちげーよ!そん時は途中でお前の母親に
あったから病室までは行ってねぇーんだよ」

「あ、そうなんだ・・・」

「・・・って事は? いつだと思う?」


怜桜はにっと笑いながら言う。




あたしの記憶が遡る。



「みわーって来た時・・・?」

「うん、正解!」


あ、やっぱり・・・。

でもみわって・・・誰?


「美和ってーのはこの病院
の患者だった子なんだよ」


心を見透かされてる様な気がした。

「そーなんだ」
「でも"だった"って事は・・・もう退院してるの?」


退院してるの知らなくて
ここに来たのかな・・・?







「もう、いねーんだ・・・何所にも・・・」



淋し気に怜桜は笑った────・・・。