一章*/

もうこんな命、どうなったっていい。
苦しいだけだもん・・・。

このまま一生苦しむだけなら、
いっそ死んだ方がまし──・・・!


私は日吉 咲綺。
重い病により、入退院を繰り返している。

でも、もういいの。
今日でこんな苦しいのとは
お別れなの・・・。


「ばいばい・・・」


屋上から飛び降りようとした時、
誰かが私の手を引っ張る。


「きゃぁ─・・・っ!?な、何・・・っ?」

「それはコッチの台詞だよ・・・!」
「あんた何やってんだよ!?」


そこには同じ歳くらいの
男の子が立っていた。

その男の子は私の手を
放そうとしない。


「他人には関係ないでしょ!?放して!」

「関係ねぇけど目の前に自殺志願者が居て止めない奴が居るかよ!?」

「放っといてよ!?」
「もう、疲れた・・・の・・・」


その時、私は気を失い
その場で意識と記憶が途切れた──・・・。