説明会の日以来、
先輩と話すことはなかった。
というより、話す機会がなかった。
部活では毎日先輩を探した。
いや、気づいたら探してた。
目で追ってた。
そして
先輩と初めて話した日から1週間。
いよいよ、立会演説会の日がきた。
体育館に、全校生徒が集まり
クラス毎に並んで座る。
生徒会役員立候補者は、
クラスの列から外れて
司会者側の席に、2列に並んで座る。
あたしの運がいいのか、
はたまた偶然なのか
あたしの隣には
拓真先輩がいる。
ふと、あの日の笑顔を思い出して
あたしの鼓動が早くなる。
先輩はあたしの気持ちを
知っているのだろうか。
いや、そんなはずがない。
でももし、気づいてたとしたら…
なんて。
演説会当日になって
あたしは何を考えてるんだろ。


