部活中に先輩を探すことは 当たり前のようになっていた。 『あ、いまシュート決めた』 『あ、転んだ。痛そう…』 『あれ…。今日は部活、来てないんだ…』 あたしは多分、 自分が思ってる以上に 先輩が好きなのかもしれない。 いや、 “かもしれない”じゃなくて… 自分が思ってる以上に先輩が好き。 拓真先輩のことが、好きなんだ。 でも、あたしはそう思うだけで 話したことも 目があったことも ―――ない。