一通り説明すると、タケルが難しい顔で言った。
「加奈さんって、変わってるとは思ってたけど
そんな恐い事言う人には思えないんだけどなぁ。
るりもさ、振り回されても楽しそうだったし。何かあったのかね。」
あれ、今までも私の話聞いててくれたんだ・・・と感心して、
そっか。何か辛い事があってあんな事言ったのかもしれない。
私あれからどうしたんだっけ、何か話した気がするのに思い出せない。
「でもさ、何かあったとしても、やっぱりそんな事言って欲しくないよな。」
タケルはちょっと遠慮ぎみに話を続けた。
「子供って、確かに親の都合だと思うよ。うちもずっと仲良くなかったし、
親の喧嘩見せられて、離婚するからどっちに付いていくか聞かれて、
なのに俺が家を出るって言ったら親を捨てるのかって言われて・・・」
タケルの家は、離婚こそしてないけど仲が悪い。
付き合い始めは何度か遊びに行ったけど、
喧嘩して片方がいないとか、いても不機嫌だったりして
疎遠になっていった。代わりにタケルは私の実家によく遊びに来て、
父や母や妹達とも仲良くなって、親の話はあまりしなくなった。
「なんで俺を産んだのかなって、いまだによくわからないもんな。
・・・まぁ、虐待とかされた覚えはないけどさ、愛情は感じられなかったな。」
久しぶりに話すタケルの目が、とても寂しそうで、
昨日とは逆に、私がタケルを抱きしめた。
「あ、ごめん。俺の話になって・・・俺はもう大丈夫だよ。
るりの家族を見て、こういう家族っていいなってすごく救われたから。」
全然大丈夫じゃなさそうに笑うタケルを見て
私は、3年前に取り返しの付かない事をしたんじゃないかと気づく。
新卒で入社した会社を辞めて、繋ぎにと派遣会社に登録した。
その間次の職場を探していたけどなかなか見つからず、
家賃もあるのにどうしようとぼやいた時の事。
タケルがしてくれたプロポーズ。
「一緒に暮らして、俺の扶養に入ったっていいんだし」
私は逃げ道みたいに感じて、腹が立ってしまったんだ。
扶養とか言うロマンの無さと、私だってまだしっかり働きたいのに、
結局この人は私が本当に悩んでる事なんてわかってくれないんだと。
つい怒りのまま
「私はまだ働きたい!女だからって扶養に入ればとか、馬鹿にしてる!」
タケルは悲しそうに
「そっか、ごめんね。そんなつもりで言ったんじゃなかったんだけど、
俺はただ家族が・・・」
「そんなつもりじゃん!一生懸命仕事探してるのに、なんでそんな事言えるの?タケルは人の気持ちを考えてくれない所があるよ!」
私はヒステリーになって文句を言った。
タケルはぼんやりそれを聞いて
「ごめん。」とだけ言った。
私はその態度にも腹が立って、また話を聞いてないんだと思っていた。
それ以降結婚の話は出なくなっていた。
「加奈さんって、変わってるとは思ってたけど
そんな恐い事言う人には思えないんだけどなぁ。
るりもさ、振り回されても楽しそうだったし。何かあったのかね。」
あれ、今までも私の話聞いててくれたんだ・・・と感心して、
そっか。何か辛い事があってあんな事言ったのかもしれない。
私あれからどうしたんだっけ、何か話した気がするのに思い出せない。
「でもさ、何かあったとしても、やっぱりそんな事言って欲しくないよな。」
タケルはちょっと遠慮ぎみに話を続けた。
「子供って、確かに親の都合だと思うよ。うちもずっと仲良くなかったし、
親の喧嘩見せられて、離婚するからどっちに付いていくか聞かれて、
なのに俺が家を出るって言ったら親を捨てるのかって言われて・・・」
タケルの家は、離婚こそしてないけど仲が悪い。
付き合い始めは何度か遊びに行ったけど、
喧嘩して片方がいないとか、いても不機嫌だったりして
疎遠になっていった。代わりにタケルは私の実家によく遊びに来て、
父や母や妹達とも仲良くなって、親の話はあまりしなくなった。
「なんで俺を産んだのかなって、いまだによくわからないもんな。
・・・まぁ、虐待とかされた覚えはないけどさ、愛情は感じられなかったな。」
久しぶりに話すタケルの目が、とても寂しそうで、
昨日とは逆に、私がタケルを抱きしめた。
「あ、ごめん。俺の話になって・・・俺はもう大丈夫だよ。
るりの家族を見て、こういう家族っていいなってすごく救われたから。」
全然大丈夫じゃなさそうに笑うタケルを見て
私は、3年前に取り返しの付かない事をしたんじゃないかと気づく。
新卒で入社した会社を辞めて、繋ぎにと派遣会社に登録した。
その間次の職場を探していたけどなかなか見つからず、
家賃もあるのにどうしようとぼやいた時の事。
タケルがしてくれたプロポーズ。
「一緒に暮らして、俺の扶養に入ったっていいんだし」
私は逃げ道みたいに感じて、腹が立ってしまったんだ。
扶養とか言うロマンの無さと、私だってまだしっかり働きたいのに、
結局この人は私が本当に悩んでる事なんてわかってくれないんだと。
つい怒りのまま
「私はまだ働きたい!女だからって扶養に入ればとか、馬鹿にしてる!」
タケルは悲しそうに
「そっか、ごめんね。そんなつもりで言ったんじゃなかったんだけど、
俺はただ家族が・・・」
「そんなつもりじゃん!一生懸命仕事探してるのに、なんでそんな事言えるの?タケルは人の気持ちを考えてくれない所があるよ!」
私はヒステリーになって文句を言った。
タケルはぼんやりそれを聞いて
「ごめん。」とだけ言った。
私はその態度にも腹が立って、また話を聞いてないんだと思っていた。
それ以降結婚の話は出なくなっていた。
