境界線


「けだもの!けだもの!」

ビールジョッキ片手に叫び倒すマキを放置して私は日本酒に口をつけた。

マキが反対するのも、その理由ももっともなことだった。

現に私は一度高橋と体の関係を持ってしまっている。一度持ってしまった関係は案外長続きしてしまうものだ。

「でも今から断れないし」

「そりゃもう手遅れですよ」