「お前が悩んでるのが何かは聞かないけど、俺からその答えを言うわけにはいかない。」
すると宮田は、俺が何を言っているのかわかったようで、上目遣いで俺の目をまっすぐに見つめる。
俺はそれに笑って、頭をなでるのは止めたが宮田の頭に手を置いたまま続ける。
「お前が今知りたいことは、お前が自分で確かめたほうがいい。」
「……………うん。」
「まあ、お前はそれがわかってて、でも知りたくても知りたくないから、悩んでんだろうけどさ。」
「…………。」
「知るか知らないかを決めるのも、お前だから。」
「……うん。」
「がんばれ。」
そう言って頭から手を離すと、宮田はぐしゃぐしゃになった髪を直すこともなく、少し考えるようにうつむいて、また俺をさっきよりも澄んだ瞳で見つめる。
「………もし、絶対無理、ってなっちゃったら、どうしたらいい?」
俺は宮田を見て微笑んで、でこに思いっきりデコピンをする。
いた〜とか言ってでこをさする宮田にまた笑って、俺は宮田のでこに人差し指を当てて言った。
「もう無理、ってなったらまた俺んとこ来い。
お前が強いのはよく知ってっから、お前は一人で立ち直ろうとするのかもしれねぇけど、立ち直るまでは俺が笑いを提供してやるよ。」
「………うん。」
「ま、まずは諦めないことだけどな。」
「…うん。」
俺が満足して指を離すと、宮田はしばらく俺の目を見つめて、ゆっくりと口を開く。
「ゆうちゃん………。」
「なんだよ。」
「私…………………。」
「うん。」
「…………………………トイレに行きたい。」
「勝手に行けよ!!」
「はーい。」
さっきよりも幾分か元気になったらしい宮田が軽い足取りで部屋から出て行くのを見つめて、俺はため息をついた。
「…………ったく……お前が傷つくようなこと……俺の口から教えられるかっつーの…。」
また漫画を開いて、適当なページを見つめる。
「うまくいかねぇのは………こっちだっつーの。」
俺は思わず漫画をベッドに投げた。


