【日記】
どうやら僕の記憶は、頭で処理され、体に蓄積されているようだ。
新しい頭がついた瞬間に体から記憶が読み込まれ、僕としての行動が始まる。
この仮説が証明されたのは、僕がタブーの存在に気が付いた時だ。
タブーとは、触れてはいけないこと、禁句
それらに関することの記憶は体に蓄積されていない。
つまり記憶は新しい頭に受け継がれない
頭で記憶を処理しているのは、体にタブーな記憶を蓄積させ、思考を深めさせる前に切り離してしまうためだろう。
アンパンマン「タブー?触れてはいけない……」
僕はだんだんとその文章に引き込まれていった。
どうやら自分の書いたものであることは確かなのか、内容は頷けることばかりだ。
アンパンマン「僕には知ってはいけないことがある……」
それは何か。
自分が知らないこと、覚えていられないこと
この日記の内容は確実に禁忌を犯しているだろう
だって僕はこのノートの存在を記憶していなかった
