手帳は、母が昔から肌身離さず持ち歩いている物で、ずいぶんボロボロだった。 私は小さい頃から、この手帳の事が気になっていた。 何をしても笑って許してくれた母。 でも覚えている。 私が何か失敗や悪さをする度に母がこの手帳にサラサラと何か書いていたのを。