「走るんなれたなぁ」


修太が走りながら言う。


まあ、いつもの事やしなあ。


「最初っから楽勝です~」


あ、また可愛くない事言うてもーた…。


最悪や、この女。


言ってから後悔しても遅いわけで。


「俺だって楽勝やわ!
 校舎周り10周、余裕やし」


うちの挑発にのって、でかい事言いよった。


1周2キロもあんねんで?


それを10周とか……


ホンマ負けず嫌いやねんから…。