「ゆう……」


真木はうちの名前をつぶやいて、
そっとうちを抱きしめた。


振り払えるくらいの余裕はあった。


やのにうちは、振り払わへんかった。


「座る?」


真木はすぐにうちから離れて、
体育館裏のいすに座った。


「うん。」


うちもそう言って、真木の隣に座った。