「はぁっッ」

やっと息が吸えると思ったときにはもう遅くて。

ピンク色のあめだまはもうあたしの口の中。

コロコロと転がり、甘い味がふんわりと口いっぱいに広がる。

横を見ると、またいつもの笑顔で笑っている零。

何が・・おこったの?

丸くなった目を普通の大きさにかえらえるはずもなく・・

まだ見開いたまま、零を見つめていた。

今の・・って、何?

一瞬・・じゃなかったけど、記憶がとんで――――・・・

「何、今のじゃ不満?」

クスっとバカにしたような笑い方をして、あたしの顎をとる。

しん・・じられない。

ずっと見つめていると、一瞬で恋におちてしまうような瞳。

シャープなラインの顎。

女の子よりも綺麗な髪・・

すべてが完璧の男。