あ。

気づいたときにはもう遅い。

おなかを抱えてケラケラと笑い出す。

「あっ!!零サマだ~ッ!!」

クラスの女子一人が、俺を指差してそう叫ぶと、数人がかけよってきた。

「零サマ~っ私、零サマと同じクラスになれて感激ですッ!!」

「ありがとう。僕も嬉しいよ。」

少し笑うだけで、顔を真っ赤に染めるバカなやつたち。

いつもの返事。

本当は嬉しくもなんかないし、悲しくもない。

へー、そう。で?

これが本心。

好きとか、一目ぼれとかしんじらんねぇ。

このときは・・

人を愛する意味なんて、まったく分かっていなかったんだ――――――――