「・・・ということで、クラスから2人程度募集をしたいと思います。」
ボランティア、というより半強制的。
けれど、誰もやりたい人などいるはずがなく。
シーンとした気まずい空気が流れるだけで。
絶対、こんなところでいても決まらないだろ。
はぁ、とため息をつきそうになったところで浅草が口を開いた。
「・・じゃあ、誰もやりたくないのなら私がやります。」
そういって、黒板に自分の名前を書く。
面倒くさいけど。
ここは、なんとなくやらなきゃいけないかんじ。
「それなら、僕もやります。」
日常スマイルで軽く微笑み、黒板に‘西条‘と書いた。
そのとたん、教室が一瞬にしてオークション会場かのように騒がしくなった。