何だよ。

俺だって、好きでこんな顔に生まれてきているわけじゃない。

「零くぅん、私たち暇なんだけどぉ・・一緒にあそぼぉ♪」

許可もなしに腕を絡め、長いまつげを上目遣いにぱちぱちさせる。

何?

男落としテクニックってわけ?

生憎、俺だってそんなんに引っかかるほどバカじゃないんだよ。

作り笑顔をやめ、軽く睨みつける。

「どぉしたの~?目にごみでもはいったぁ?」

と、心配そうに手を顔にのばしてきた。

「・・は?」

そういい放つと同時に、絡まれた腕をほどく。

「えぇ~、何かぁ零くんこわーい♪」

怖い、といいながらも

まだ笑顔の女。