「プールよ、プール!!」

夏休みが終るまで、あと一週間。

凄い剣幕で、電話をしてきた花音。

「・・・へ?」

「私、夏の思い出一つも作ってない!!!」

長いため息をついたかと思うと、もう一度言った。

「明日9時に駅で集合ねっ!零サマ忘れないでよーっ!?」

「えっ!?ちょ・・ちょっと!!」

ツ――― ツ――― ツ―――

反論したいときにはもう遅く

いち早く、電話は切られていた。