ワがまま王子☆





‘――――――――ッ優‘



振り向いて、くれるかな?


あたしの声、聞こえますか―――――?



一瞬、立ち止まって


ゆっくりと、後ろを振り向く。



「みくりんじゃーん♪」


悪魔の声で

あたしの名を呼ぶ。

「・・・優。」

「みくりん、音信不振だったからさ~。俺夏祭り一緒にいかねぇっつーメールおくったんだけど~。」

首を横にかしげて、へらへらと笑いながら近づいてくる。

がくがくと震える足。







ぽんっ


そう優しく肩をたたいてくれたのは

あたしの、大好きな人。