ワがまま王子☆



――――――バンッ

思いっきりリビングのドアを開ける。

TVの方を見ると、やはりいつもと変わらずにコーヒーをのんでいるお父さん。

何も・・変わらない光景なのに。

あたしの部屋だけ・・違う・・ッッ

あいつのせいで・・ッ

急に怒りがこみ上げてくる。

せっかく・・もう少しで男嫌い直ると思ってたのに・・・ッ

そう。

あたしは男嫌い。

かっこよくいってしまえば、男性恐怖症とでもいうんだろうか。

あの・・日から。

男と言う生物はまったくだめ。

気持ち悪くて・・触れたもんじゃない。


「お父さんッ!!!!!」

大声で、そう叫ぶ。

「お、未来かぁ。今日はずいぶんおそかったなぁ。」

まったく、変わらない笑顔。

あ・・れ?

もしかして・・さっきの幻覚!?

あたしにしか見えてないとかッ!?

てゆうか夢の続きとかぁッッ

そうだったらほんと嬉しい。

だけど現実はそううまくいかなくって――――

――ガチャッ

静かに、ドアが開く。

――パタンッ

優雅に閉められて出てきたのは――――



さっきのキス魔。

夢じゃぁ・・なかったの・・!?

夢だと信じ込んでいたあたしには、すごい衝撃。






「おはようございます。広見おじさん。」





キス魔は、おぼっちゃまのようだった。