ワがまま王子☆




なぜか。


自然と涙が出てくる。

「何、泣いてんの?」

ふっと笑いながら、あたしの涙を袖でぬぐった。

「・・・せで。」

「は?」

「・・幸せで。」

涙が出てるの。

やっぱり・・最後まで言えなくて。

泣き笑いみたいな、微妙な表情になる。

「バカ。」

クスッと笑うかのようにして、そっと髪に触れた。

「あたし・・零のこと好き・・だから・・ッ」

「知ってる。」

「世界中で・・一番好き・・ッ」

「俺も。」