ワがまま王子☆




甘くて。甘くて。甘くて・・


甘い甘いキスと、好きで体中がいっぱいになる。


チョコレートみたいに甘くて。


このまま、本当にとけてしまいそうで。


ぎゅっとつぶっていたまぶたを。

長い人差し指の先で、ちょんっと触れた。

「目、開けて。」

そーっと。

閉じていたまぶたを上にあげると、真っ先に写るのは、ニヤリと笑う零。

「・・優、ってやつじゃないから。」

――――ビクッ

優の名前が出てきただけで。

反応してしまうことが、恥ずかしい。

そっと髪に触れて。

もう一度、低い声で囁く。







「俺だけを見ろ。」