ワがまま王子☆




「無理。」


ふわっと心地好い香りがした。

「・・何もなかったことにするか、何も言わずに帰るか・・・どっちか選んで。」


二つに一つ。

搾り出したような声。

ばれてるかな?

涙声って、こと。



「俺に抱きしめられるか、キスされるか。選べ。」



やっぱり零は。

あたしの言うことなんて、まるでなかったかのように。


「零はいつもそうやって選ばせ――――――――っッ!?」