「・・・未来。」 息を切らせて。 必要以上にかっこいい声で。 何も、聞こえない。 さっきまで聞こえてた風の音が。 目覚まし時計の、規則正しいリズム音が。 ぽたぽたと滴り落ちる、雫の音が――――・・ 「・・・帰って。」 涙を、見られたくない。 優のために流している涙なんて――――・・ 流さないと決めた、涙なんて 絶対に。