ワがまま王子☆






「どこいってたんだよー?」

半日ぶりに顔をあわせて、言われた言葉がこれ。

「べつに。」

目を合わせずに言うと、さも分かったような顔つきでいった。

「あー・・そうか。未来ちゃんと一緒にいたのかー♪」

得意げに鼻歌を歌いだす。

「・・って、否定しろよ!?」

いきなりがくっと肩をつかまれた。

「べつに。」

否定、することでもないし。

つか本当だし。

「なーに話してんのっ?」

おおきくジャンプして、両手で拓馬の目をふさいだ花音。

「あー、鬱陶しい奴が来たーッ」

「うざっ!鬱陶しいってなによ!?」

また始まる、いつもの喧嘩。

何度この光景を見ただろうか。