ワがまま王子☆




ピピピッピピピッ

静かなホテルの一室に、体温計の音が鳴り響く。

「・・ただの風邪ね。」

白い白衣を纏った、若い女の先生がほっとため息をつきながらいった。

「そう・・ですか。」

あれから。


いきなり未来が腕の中で倒れて。

焦りながらも先生に連絡して。

今は、友好の輪最終日の朝。


「西条くんも寝てないんじゃない?自分の部屋戻っていいわよ。」

飲みかけの缶コーヒーを飲み干し、椅子から立ち上がった。

「・・はい。」

頬を火照らせ、荒く呼吸をしている未来。

「・・っと、時間やばいわね。」

袖を軽くまくり、腕時計に軽く目を落としながら言った。

「じゃあ、先生行くけど西条くんも早く用意しておきなさいね。」

パタパタと音をたてながら、部屋を出て行った。