ピピピッピピピッ
静かなホテルの一室に、体温計の音が鳴り響く。
「・・ただの風邪ね。」
白い白衣を纏った、若い女の先生がほっとため息をつきながらいった。
「そう・・ですか。」
あれから。
いきなり未来が腕の中で倒れて。
焦りながらも先生に連絡して。
今は、友好の輪最終日の朝。
「西条くんも寝てないんじゃない?自分の部屋戻っていいわよ。」
飲みかけの缶コーヒーを飲み干し、椅子から立ち上がった。
「・・はい。」
頬を火照らせ、荒く呼吸をしている未来。
「・・っと、時間やばいわね。」
袖を軽くまくり、腕時計に軽く目を落としながら言った。
「じゃあ、先生行くけど西条くんも早く用意しておきなさいね。」
パタパタと音をたてながら、部屋を出て行った。

