ワがまま王子☆



「・・・零ぃっッ」



自ら避け続けていた人なのに。



自分から、助けをもとめて。



「―――――――未来ッ」


温かい声で。


氷を溶かしてしまうような熱い声で。


あたしは、名前を呼ばれた―――――――


「なんで・・・・・・ここに?」


バスを抜け出してから、もう30分くらいはたっただろうか。

出発、してると思ったのに・・・


探しに・・来てくれたの?

一人でぼーっと見つめていると、視界に黒いものが大きく入ってきた。




ぎゅぅっッ




あたし・・・今。



抱きしめられてるんだ――――――――――


大好きな、人に。