「・・・グスッ・・・ズッ・・」
二人っきりの部屋に、すすり声だけが聞こえる。
「かっ・・花音?」
顔を覗き込むと、涙でぐしゃぐしゃになった顔が見えた。
「みっ未来ぅ~ッ!!!!!!」
いきなり、がしっと抱きつかれた。
「・・へ?」
「なんで・・なんで花音にもっと早く言わなかったの!?」
真剣な表情で、言ってくれる事が嬉しい。
真剣な言葉で、想ってくれることが嬉しい。
真剣な想いで、涙を共に流してくれることが嬉しい―――――――・・・
「か・・のん・・・。」
予想外の涙。
誰にも打ち明けた事がなかった、あたしの過去。
軽蔑されるんじゃないか。
引かれるんじゃないか。
マイナスのことばかりかんがえて。
花音のことなんて、全然分かってなくて。
ばか・・だったよ。
「どうしてッ・・どうして一人で悩んでたの!?」
つーっと頬をつたる、一滴の涙。
知らなかった。
誰かに想ってもらえる事が。
こんなに幸せなことだ、ってこと――――――――

