ゴーッ
濡れた髪を、ドライヤーで一生懸命乾かしている花音。
「ねー。」
「えっ何?」
読んでいた雑誌をベットの上に置くと、花音の方を向いた。
「零サマとさー、何あったの?」
シト・・シト・・シト・・
静かな、静かな部屋の中に。
規則正しく聞こえる雨の音。
「なっ・・何にも・・!?」
ばれ・・たくない。
ばれるわけには・・いかないんだ。
ばれちゃったら――――・・・
「未来ってさぁー。」
手に持っていた赤いドライヤーを机の上に置くと、あたしの肩をもった。
―――ギクッ
「顔に出やすいんだよねー。」
そういって、あたしの鼻の頭をちょんっと指先で触れた。
「そっそれって・・どういう――――
「話してくれても、いいんじゃない?」
いつもより、ちょっと真剣な顔で。
いつもより、ほんの少し低い声で。
いつもより、ずっと優しい笑顔で―――――――・・・
花音は微笑んだ。

