ワがまま王子☆




ゴーッ

濡れた髪を、ドライヤーで一生懸命乾かしている花音。

「ねー。」

「えっ何?」

読んでいた雑誌をベットの上に置くと、花音の方を向いた。

「零サマとさー、何あったの?」

シト・・シト・・シト・・

静かな、静かな部屋の中に。

規則正しく聞こえる雨の音。

「なっ・・何にも・・!?」

ばれ・・たくない。

ばれるわけには・・いかないんだ。

ばれちゃったら――――・・・

「未来ってさぁー。」

手に持っていた赤いドライヤーを机の上に置くと、あたしの肩をもった。

―――ギクッ

「顔に出やすいんだよねー。」

そういって、あたしの鼻の頭をちょんっと指先で触れた。

「そっそれって・・どういう――――

「話してくれても、いいんじゃない?」





いつもより、ちょっと真剣な顔で。






いつもより、ほんの少し低い声で。








いつもより、ずっと優しい笑顔で―――――――・・・

花音は微笑んだ。