「あっ、もうやばくない!?」

リュックにつけた時計を片手に、軽く足踏みをしながら言った。

「え?もうそんな時間?」

不思議そうに時計を覗き込む龍起。

「ほらっ!!集合まであと15分しかない!」

「はぁ~?15分しか、やなくて。‘も‘やん。」

呆れたように、そういったのは龍起の友達の、健斗くん。

「15分しかだよ!さ、早く行こうっ」

いきなりあたしの手を取り、走り出した。

「ちょっ、ちょっと花音!?」

何でそんなに急いでるの!?

とも、言えずに引かれるほうに走って行く。

「はやくっ!!」

足が縺れそうなあたしにかまわず、どんどんスピードを上げる。