「・・と、いうことなので、一週間前にはすべて用意ができているようにしてください。」

朝のホームルームが終り、パタパタと忙しそうに教室を出て行く担任。

「ねー、みくちん!!」

―――ビクッ

呼ばれた方を恐る恐る見ると、不思議そうな顔をしている龍起。

「・・りゅ・・龍起・・。」

「班、一緒にしない?」

無邪気な笑顔で話しかけてくる。

「・・班?」

なんの・・?

「だーかーらー。友好の輪の班♪」

あぁー・・

『友好の輪』とは、6月に行く修学旅行のようなもの。

高校になったばかりで、友達を作ってもらうために一昨年校長先生が作ったそうだ。

「ふーん・・。」

友好の輪、ね。

行かなくていいなら、行きたくなんかない。

でも・・そんなことしたら、お父さんも心配するし・・。

「で、さ~。いいってこと?」

いきなり顔を覗き込まれ、顔を顰める。

「えっ、うん・・。」

零と同じ班になるよりは、ずっといいよね・・。





そう、自分に言い聞かせながら。

張り裂けそうな気持ちをかくして――――――・・・