ワがまま王子☆



「おっはよーっ♪」

席に着くと、いつもと同じように花音がやってきた。

「・・はよ。」

いつもよりも重い鞄を机の上におろし、教科書を取り出す。

「未来さ~、告白成功したんだって!?」

妙に顔を近づけてくると思ったら、言った言葉は予想通り。

「まあねー・・。」

「昨日さ、未来のケータイに電話したら、零サマが出てさ~ッ!!」

大きい瞳をさらに大きくさせながら、楽しそうに喋りだす。

「びっくりしちゃったんだけどー・・思わず聞いちゃったんだ!!」

小さい子のようにぺろっと舌をだし、あたしを見る。

「未来のこと好きですかー?って!!」

なんてことを聞いてたんだ・・。

思わず、苦笑い。

「そしたらねっ、‘うん、好きだよ。‘だって!!!」

きゃーっと両手で口をおさえ、顔を赤らめた。

あたしは今、それどころじゃない。

昨日の・・一通の電話。

‘本当に、付き合っちゃわね?‘

きっと、冗談。

きっと・・

どうしてかな。

嫌いなはずなのに・・

なぜか、なぜか。



心が・・揺れるんだよ・・?