プルルルッ
2度目のコール。
ゆっくり起き上がり、ケータイを手に取る。
カチャっと開けると、知らない番号。
誰・・だろ。
それか、番号変えたとか?
とりあえず、通信ボタンを押して耳にあてる。
「・・もしも「あ、みくりん?」
あたしの部屋とは正反対に、にぎやかな音。
「・・違います。」
今、一番聞きたくなかった声。
「うっそだー、みくりんっしょ?」
バカみたいな笑い声。
「・・なんですか?」
早く、この会話を終らせたい。
「やーさ、俺今彼女いないんだよね~。だからマジでつきあわねぇ?」
軽い、言葉。
この言葉で、何人もの女の子を落としてきたかと思うと、悔しくなってくる。
そして、その中にあたしがいるってことが――――・・
「みーくりん?どうした?」
「なんでも・・ないです。」
怖いんだ。
辛い思いは・・二度と、しないと誓ったのに。
自分から破ってしまいそうで―――――――

