ワがまま王子☆




「信じて、たのにな。」

信じられない、光景を見た次の朝。

カーテンを開けると、憎らしいくらいの天気。

昨日の朝は・・幸せだったのに。

もし・・もしも。

あの日、雨じゃなければ。

傘をさしていたら。

あの信号に、間に合えば――――――・・・

今、あたしは笑えてたのかな?

優と、楽しく話してたのかな?

ふっとため息をつくと、ベットの上に寝転んだ。

「あーっ。」

疑ったりも、しなかった。

全部・・全部、

優のこと、信じきっていたから。

あたしが、優のことを好きなように。

優も、あたしのことを好きだ、って思ってた。

だけど・・それは間違いで。

一方通行の思いだった、ってこと?

不思議。

昨日は、とめようとしてもとめれなかったしょっぱい涙が。

今は、なぜか流れなくて。

好き、だったよ。








‘好き‘の感情を。









一生ふきかえしてしまわないように。

固く、固く封じ込めて―――――――・・・