「へー。」
冷たい会話。
だけど・・
だけど。
だんだんと熱をまとっていくのが目に見える。
「未来、行くぞ。」
スタスタと何事もないかのように、周りにいた男たちを無視してあたしの前に来た。
零のところへ、行きたい。
距離はもう数十センチ。
手を伸ばせば・・触れることの出来る距離なのに。
怖くて・・顔があげられないんだ。
「ざーんねん。」
耳元で、笑うような声が聞こえる。
「みくりんは、俺のものだから♪」
そういって肩を抱き寄せられる。
やめて・・・ッ
触ら・・ないで・・・ッ
心の中で一人、叫ぶ。
そんなときも、目にかかった髪を、鬱陶しそうによける零。
抜けられない。
抜けられないんだ。
一度入ってしまった・・
優という、大きな落とし穴からは―――――――――・・・