〔零side〕

「見てっこれ、可愛くない?」

そういって未来が指差したのは、マカロンのキーホルダー。

「べつに。」

「~~っいいよ。あたし買ってくるから!!」

悔しそうに軽く俺を睨むと、ガラスの中に飾ってあったマカロンのキーホルダーを取り出した。

「はいはい。」

ふと、時計を見るともう11時。

昼ごはんを食べてもいい時間。

後ろから聞こえてくるパタパタと走ってくる音。

足音がする方を見ると、今にも泣きそうになっている未来。

「だめだったー・・。」

はぁーっとため息をつき、マカロンをガラスの中に戻す。

「なんで?」

「2000円だと思ったら・・20000円だったの・・!!」

「あぁ。」

一ケタ間違えたのか。

「もーやっ!!あ、そうだ。もうそろそろお昼食べに行かない?」

「ん。」

「それでさっ、食べ終わった後アイス食べにいこー!!」

「ん。」

未来は目をキラキラと輝かせ、店を出た――――――・・・