「熱ッ」

パンが焼け、それをとろうとしていたときだった。

どうやら電熱線に指をあてたらしい。

俺は痛そうに抑えている指を持ち上げ、口の近くに持っていった。

「やっやめてッ!!」

拒否されると、さらにやってしまいたくなる。

「あんたじゃなくって、零、だから。」

「・・・・・?」

「零って呼べ。」

「・・・・はぁッ!?」

目を大きく見開いて、未来は口をぱくぱくし始めた。