「えぇっ!?塾、入っちゃったの?」

いつものようにあたしの部屋で二人くつろぎながら、クリスマスの話しをしていた。

「そーなんだよな~っ!!マジごめんッ!でも、26日は開けてあるから♪」

優の笑顔には弱い。

でも・・。

26じゃ、だめなんだよ?

クリスマスの日じゃないと―――――・・・

あたしの学校でのジンクス。

クリスマスの夜、サクラ通りのクリスマスツリーを見たカップルは・・

一生別れない、って。

「みくりん?」

優は、あたしのことを‘みくりん‘と、呼ぶ。

もう、何度も呼ばれているのに、毎回くすぐったい気持ちになる。

「・・ん。分かった。塾、頑張ってね・・?」

来年は・・

絶対一緒に見たいよ――――・・

そんな淡い思いを抱きながら。

そっと、優の顔を見つめる。

「ありがとなぁーッ!!みくりん、まじで愛してる~っ!!」

ふざけたようにそういうと、上にのりかかってきた。

「きゃーっ、ちょっと、重いって・・!!」

「じゃ、逆になろっか?」

そういうと、優はいとも簡単にくるりとあたしを回転させた。

「へっッ//!?」

目の先にはすぐ、優。

こっこれって・・まずいんじゃぁ・・っ

ゆらり、と近づいてくる優の顔。

それが合図のように、そっと目を閉じる。

―――チュッ

リップ音がなって目を開けると、おでこに温かくて柔らかい感触。

「びくった?」

「う・・ん・・ッ!!」

いつも、そうだ。

優は、あたしに一度も唇にキスをしてくれない。

今度こそ、と思ったときでもいつもおでこかほっぺで―――――・・・

「あ、やっべぇ。もうそろそろ、帰るわ!!」

「うん・・っ、じゃあ、またねっ!!」

優は今年3年生だから、塾があるらしい。

受験、だから。

でも・・

来年は、たくさん会えるよね?

学校は別々になってはなれちゃうけど・・。

あたしは、いつまでも優のことを愛せる自信があるから―――・・