あれは。

丁度3年前の春―――――――――・・・





「優先輩・・ッ、あたしと・・付き合ってください・・・ッ!!」

中学生になったばかりのあたしは、部活の先輩に恋をした。

校内のアイドル的な先輩は、いろいろな子から告白される。

だから・・あたしなんか絶対無理だと思ってた・・。

「んー、いいよ♪」

茶髪がかった髪をかきあげ、整っている顔で笑った。

予想もしていなかった言葉。

断られたとき、どんな反応すれば自分が傷つかないか、考えてたのに・・。

「ほっ・・ほんとですか!?」

信じられない・・ッ

学校の・・学校一のイケメンと付き合えるなんて・・

一目ぼれ、だったんだ。

テニス部の見学に行った時・・

片手でスマッシュを決めている優先輩が目に焼きついてはなれなくて――――・・

「ほんと♪嘘でこんなこと言うわけねーじゃん?」

180センチ以上ある身長。

整った顔立ち。

誰にでも同じように接してくれる性格――――・・

これ以上の男の人はいないと思う。

その・・その。

優・・先輩が・・ッ

高嶺の花だった人が・・!!

今・・あたしの目の前にいて。

告白を・・OKしてくれてる・・?

夢・・みたいだ。

バカみたいに口をぽかーんと開けていると、カッコイイ顔がくしゃっとなって笑った。

「牧野未来、でしょ?」

「えっ・・えっ・・えぇっ//」

名前・・知っててくれたの!?

何で・・!?

「可愛いなーって思ってたから、覚えた♪」

かっかっか・・・ッ//

恥ずかしくて、耳まで赤くなる。

「じゃ、さ。」

「へっ!?//」

「優、って呼んでよ?」

精一杯のあたしに対して、余裕な優先・・・優。

「ゆっ優・・?」

「よく出来ました♪」

そういって、頭をいーこいーことなでられる。

「これ、未来にあげる♪」

自分の耳につけていたピアスをとると、あたしの手においた。

「・・え?」

ぽかーんと口を開けていると、少し笑いながら言った。

「彼女の印っじゃ、放課後迎えに行くから~♪」

彼・・女。

響きが・・甘くてカッコイイ。

ほんと・・これ、夢なんかじゃないよね?

自分を疑ってほっぺをつねってみる。

「痛っ」

幸せな痛み。

夢・・じゃないや。





あたしの心の中は、幸せいっぱいの虹色。

・・なはず、だったんだ――――――――・・・