〔未来side〕
ありえないありえないありえない―――・・
どこをどう見渡したって、いつもと変わらないあたしの部屋。
嘘でしょ?
なんで・・男がいんのッ!?
もう一度、ゆっくり確かめるようにベットの上にあるものを見る。
長いまつげ。
やわらかく、黒い髪。
あたしがグロスを何重にぬっても絶対できないぴんくの唇―――・・・
そして―――
「何見つめてんの?」
「・・・・は?」
さっきまでしたを向いていた長いまつげが、こんどはいきなり上を向い
て・・・
「あんたさ、もっと色気のあるおこしかたできないわけ?」
いかにも不機嫌そうに起き上がる。
色気・・ね。
何でも真剣に考えてしまう自分の性格が怖い。
「御代はー。んー、キスでいっか。」
きす?
きす・・。
キスッ!?
考えている暇も無く、抱き寄せられる肩。
ビクッ
久しぶりの男の人の手。
硬くて・・・・痛い。
―――――ドンッ
精一杯の力で、胸を押し倒す。
「痛ぇっ・・・。」
頭をかかえ、ゆっくりと起き上がる。
もしかして・・今がチャンスッ!?
そう思った瞬間、あたしは階段を駆け下りた。