――――カチャリ
慎重に、零の部屋のドアを開ける。
音に気づいたのか、さっと振り返る零。
少しの仕草でも、どきっとしてしまう自分が嫌。
認めたくなんか・・なかったんだよ?
恋なんて・・辛いだけだから―――・・
でも、でも。
辛いってこと分かってても・・好きなんだ。
隠せそうにないよ・・。
「何?」
ニヤリと笑みを浮かべながら、耳につけていたウォークマンをはずす。
‘零のことが好きです。‘
何度も何度もリピートした言葉。
でも・・
実際、零を目の前にして立ってみると頭の中はもう真っ白で・・
練習なんて意味がなかったかのようで。

