ワがまま王子☆




――――カチャリ

慎重に、零の部屋のドアを開ける。

音に気づいたのか、さっと振り返る零。

少しの仕草でも、どきっとしてしまう自分が嫌。

認めたくなんか・・なかったんだよ?

恋なんて・・辛いだけだから―――・・

でも、でも。

辛いってこと分かってても・・好きなんだ。

隠せそうにないよ・・。

「何?」

ニヤリと笑みを浮かべながら、耳につけていたウォークマンをはずす。






‘零のことが好きです。‘









何度も何度もリピートした言葉。

でも・・







実際、零を目の前にして立ってみると頭の中はもう真っ白で・・

練習なんて意味がなかったかのようで。