『・・で、結局言えなかったわけ~?』
電話先で、少しおこり気味の花音。
「しょうがないじゃん!!言える状況じゃぁなかったんだから!!!」
あんなところで・・言える人がいるとおもう!?
絶対いないよ・・!!
『はぁぁーっ、もうお父さんも帰ってきちゃったんでしょ?いつ言うの。』
あからさまに分かるよう、大きなため息をつく。
「べっべつに言わなくても・・。」
必死の抵抗。
『今、家?』
どこかを歩いているのか、街中のうるさい騒音がケータイごしに聞こえてくる。
「家・・だけど?」
『じゃあ、まっててねっ♪』
「えっ、なん――――
ブチッ
花音は勝手に通話をきった。
まっててねってことは・・
あたしの家に来るって事だよね!?
ツーツーとなっているケータイの画面を閉じ、ベットへダイビングした。
「ふーっ。」
今日はとくにやることもないし・・。
べつにいいんだけど。
「あー・・暖かいー・・。」
久しぶりの晴れ。
もう・・このまま寝ちゃってもいいかなー・・
軽くそんなことを思いながら、浅い眠りにおちた。

