ワがまま王子☆




「いい。俺が連れてく。」

あたしの許可もなしに、さっとなれた手つきで抱き上げる。

一般的に・・これって。

オヒメサマダッコとかいうやつ!?

みんなテスト中にも関わらず、手を止めてざわざわと話している。

視線がかなり痛い。

「じゃっじゃあ・・・西条くん、よろしくお願いします・・。」

少し頬を紅潮させながら、先生は言った。

ガララッ

家庭科室のドアを、あたしを抱きかかえながらそっと開ける。

パタンッ

ドアを閉めると、まるで別人のようにさっきまでの柔らかい笑顔が消え、冷たい笑顔になった。

「れっ零!!あたし一人で歩ける・・からっ!!」

肩を押して、降りようとするがなかなかうまく力が入らない。

「静かにしろ。」

目もあわせずに、すたすたと歩いていく。

きっ気まずい・・

最後に話したのは、あの告白された場所。

それからもずっと避け続けてきたから・・・

「あっあたし、重いから!!」