「いい。俺が連れてく。」
あたしの許可もなしに、さっとなれた手つきで抱き上げる。
一般的に・・これって。
オヒメサマダッコとかいうやつ!?
みんなテスト中にも関わらず、手を止めてざわざわと話している。
視線がかなり痛い。
「じゃっじゃあ・・・西条くん、よろしくお願いします・・。」
少し頬を紅潮させながら、先生は言った。
ガララッ
家庭科室のドアを、あたしを抱きかかえながらそっと開ける。
パタンッ
ドアを閉めると、まるで別人のようにさっきまでの柔らかい笑顔が消え、冷たい笑顔になった。
「れっ零!!あたし一人で歩ける・・からっ!!」
肩を押して、降りようとするがなかなかうまく力が入らない。
「静かにしろ。」
目もあわせずに、すたすたと歩いていく。
きっ気まずい・・
最後に話したのは、あの告白された場所。
それからもずっと避け続けてきたから・・・
「あっあたし、重いから!!」

