「いったぁッ!!」
失敗するのはもう12回目。
いい加減、なれてもいいころなんだけどなぁ・・・っ
自分の指は、もうバンソウコウだらけで見るだけでも痛々しい。
「でっできたぁッ!!」
そういって、キッチンの机に置いて、自分の不器用さを実感する。
りんご一個むくのに1時間32分46秒。
花音は確か、‘一人5分でむくんだって♪‘と、残酷すぎる言葉を軽々と言っていた。
また視線をりんごに戻すと、初めの頃とは変わり果てた姿。
丸かったりんごはかくかくに尖っていて、サイズも明らかに違う。
「はぁぁーっ。」
無理っ
絶対無理っ
第一、こんな事普通の女子高校生が出来るはずがない・・!!
次のりんごと見つめあいながら、フルーツカット用の包丁を手に取る。
ざっざくっ
りんごを切る音には、にあわなすぎ音がなった。