キーンコーンカーンコーン・・・
授業の終わりのチャイムと同時に、目が覚める。
「きりーつ。」
総務が号令をかけると、重たいまぶたを無理やり開けてゆっくりと立ち上がる。
「れいー。」
れい・・
レイ・・
零!?
最近、嫌なくらいに‘レイ‘という言葉に反応してしまう。
怖いくらいに。
「みっく~♪寝てたでしょー?」
楽しそうにスキップしながら近づいてきた花音。
「げ。何で知ってんの!?」
「寝顔、ばっちり見えたし~♪あ、写メとっといたよ~!!」
そういってケータイの画面を開け、写真をアップにする。
「わっわっわっ!!!」
いそうでケータイを取り上げて画像を削除した。
あっあっぶなー・・
そこの写っていたのは、気持ちよさそうに寝ているあたし。
「やー、消しちゃったのー?」
ぶーぶーと文句を言いながらつきつけられたケータイを渋々持つ。
「あったりまえじゃん!?消すに決まってるし!!」
あたしが一生懸命言うと、勝ち誇ったように花音が言った。
「なーんてね♪ちゃーんと保存しておいたから~♪」
ほっ保存!?
やっやられたぁ・・・・!!!
がくっと机の上にうつ伏せになる。
「ねぇ、でさ~!!次の家庭科のテストって、各自で持ってくるんだっけー?」