「なっ何にも・・ッ!!」
手をつながれたままに隆起の手を振り払い、自分ひとりで歩いていく。
「ちょっちょっと、未来ちん!?」
慌ててついてくる龍起。
「ね、みんなもう帰っちゃったかな?」
くるりと後ろに振り返って、学校の上についている時計をみた。
やっぱり時間はもう5時を回っていた。
下校時刻は4時30分だから、30分はすぎたことになる。
「あー・・たぶん帰ったんじゃね?」
「だよねー・・!!」
花音に言われてきたけど・・
何であのとき走っちゃったりしたんだろう・・?
分からない。
分からないけど・・
自分で勝手に走り出していたんだ。