「・・っと、あの・・っ入学したときから・・ずっと・・好きでした・・っ!!」
「ありがとう。」
適当に、いつもの笑顔を作る。
「だか・・らっ・・付き合ってもらえませんか・・っ。」
目をつぶり、うつむく。
「俺、一目ぼれとか信じないから。」
「・・・はい?」
ゆっくりと顔をあげ、俺の態度の豹変に驚いたのか目を見開いている。
「第一、君みたいな子タイプじゃないし。」
一瞬顔を強張らせたが、すぐに泣きそうな表情になった。
「・・っ、でも・・っ!!」
ポロポロと流れ落ちる大粒の涙。
どこまでが本気で、どこまでが演技か。
「とにかく、無理だから。」
めんどくさい。
きっと、いつものように演技の涙だろう。
「・・うっ・・ひっく・・・・。」
小さな女の子は、ドラマか本の読みすぎかは分からないけど、ドラマチック風に泣いて走って行った。
告白を断るなんて楽。
‘君みたいな子タイプじゃない‘
と、適当に返しておけばいいんだ。
そうすれば相手も勝手にさがっていく。