最近、俺は未来に避けられている。
朝行くときも、玄関で顔を合わせれば無視。
朝ご飯食べてるときも無視。
廊下ですれ違ったときも無視。
目を合わせればぱっとそらし、スタスタと自分の部屋に帰ってしまう。
第一、無理がありすぎる。
同じ家で暮らしてるっていうのに。
やっぱり未来はバカ。
朝、8時丁度に靴を履こうとすると、外から走って帰ってくる未来がいた。
「はぁはぁはぁっ」
息を切らせて、こっちへきた。
「・・何があった?」
俺がそう聞いても、いつものように無視。
「・・未来。」
無理やり腕をつかむと、目を見開き、泣きそうな顔で俺を見た。
隙をつかれ、するっと腕がぬける。
「・・。」
何なんだよ、アイツ。
まじでわかんねぇ・・。
少しの笑顔でも落ちない。
甘い囁き声でも落ちない。
キスでも落ちない。
それ以上何があるって言うんだよ。
べつに、未来だけを落としたいわけじゃない。
女、っていう生物を今までいとも簡単に落としてきた俺にとって、初めて落ちなかったから落としてみたくなっただけ。
ただ、それだけ・・のはずだった――――――――――――――