ワがまま王子☆



「ジョンッジョンッ!!まってーッ!!」

「追いかけるな、サリー。ジョンは自らの道を歩んでいくんだ。」

ジ――――――――――

映画終了の合図とともに、ぱっと電気が一斉についた。

「まぶっし。」

いきなりついたライトの光は、まだ明るさになれてないあたしには眩しすぎて。

「ちょっと龍―――――って泣いてんの!?」

ふと、横を見れば、すすり泣いている龍起。

「うっうっせーっ!!」

慌てて服の袖でふく。

あたしはあんまり表に感情ださないから・・

映画とかで泣いちゃう素直な人に憧れるな・・。

「ね、次どこ行くの?」

顔を覗き込むと、目をうるうる潤ませながら顔をあげた。

「次?えーっと・・昼飯かな。」

また、鞄の中をごそごそと探り、さっきとは別のパンフレットを出した。

「未来ちん、どこがいい?」

そういって、あたしの方に見せてきた。

「んー・・マックとか?」

右端に載っている、赤と黄色の写真を指差す。

「りょーかい♪じゃ、行こうぜ?」

辺りを見渡すと、さっきまでたくさんいた人はほとんど残っていなくて。

「そうだね。」

あたしたちも映画館から出た。