ワがまま王子☆



ゆっくりと歩き出した。

「未来ちんは何が見たいー?」

「なんでも。」

べつに見たいのとかないし・・?

第一、そんなに映画を見に行くタイプでもない。

「えー、それじゃ困るしー!!」

「でも、ないもん。」

カバンの中に入っていた映画のパンフレットを広げ、見る物を選んでいる隆起。

「あッ、これは!?これよくね?」

そういって見せてきたのが、『あの犬との出会い』という感動物だった。

「あー。そういえば、最近話題になってるよね~。」

CMでもよく宣伝していたし、クラスの子も話していた。

「そうそう、だからこれにしない?」

「いいよ。」

なんだかんだ話している間に、だんだんと人が多くなってきた。