ゆっくりと歩き出した。
「未来ちんは何が見たいー?」
「なんでも。」
べつに見たいのとかないし・・?
第一、そんなに映画を見に行くタイプでもない。
「えー、それじゃ困るしー!!」
「でも、ないもん。」
カバンの中に入っていた映画のパンフレットを広げ、見る物を選んでいる隆起。
「あッ、これは!?これよくね?」
そういって見せてきたのが、『あの犬との出会い』という感動物だった。
「あー。そういえば、最近話題になってるよね~。」
CMでもよく宣伝していたし、クラスの子も話していた。
「そうそう、だからこれにしない?」
「いいよ。」
なんだかんだ話している間に、だんだんと人が多くなってきた。

