「ねぇねぇ、菜音ー?
かっこいい人いるかなー?」
「どうだろうねぇ。
結局は知ってる顔ばっかなんじゃない?」
「そうかなー?
入学式の隣の席の子、かっこいい人だったらいいなー。」
「ふふ。私もちょっとそれは考えてた!
やっぱ高校生といったら青春だし!
漫画みたいな恋したいなー。」
「菜音には無理無理!
あんた自分の身長分かってるー?」
「うるさいなー!
でかくたって恋くらい出来ますー!」
言い忘れていたが私は174㎝もあるのだ。
父が細身だったせいか、横にまで大きくなることはなかったが、どこにいるのかすぐに分かる程大きい。
プラス男みたいな性格でサバサバしているせいか、男友だちはたくさんできるが、彼氏は今までできたことはない。
自分自身誰かを好きになったこともない。
好きっていう感情が正直理解できない。
それに比べて彩は恋多き乙女。
顔も可愛いくてよく告白もされてるが、彩自身が悪く言えば飽き症なせいか長く続いてるところを見たことはない。
だからといって、中途半端に好きなわけではなく、毎回本気である。
友達より男を優先してしまうところもあるが、私にとっては思いやりのある最高の親友だ。
