幸せあれ

「夏実…!」

トイレだったから
めっちゃ響く

るいだ…

そんな声で呼ばんくても
いいのに

「大丈夫?」


何の心配してるの?


「何が?」


「いや、泣いてるし斗真くんが心配してた」


「そっか。全然大丈夫だよ。ってか泣いてないから。目にゴミが入っただけ」


「夏実ってさ、何でも笑って誤魔化しちゃうよね。すごいや…」


「…誤魔化してないよ。笑ってるよ」

そういって
るいに満円の笑顔を向けた

そのとき見えた
るいの寂しそうな顔

…気のせいだよね?

「だって夏実の泣いた顔見たことないよ」


「だって泣いてないもーん」


さっきよりも
テンション高めで
言ってみる


「嘘。夏実がいたとこに滴が落ちてた」


あの時から泣いてたんだ…


「しょーたのヨダレじゃない?」